南側は、道路をはさみ河川敷が広がり、川向こうの山々ともども自然豊かな環境である。春には河川敷沿いに植えられた桜並木が咲き誇り、南側を通る道路は散歩する人も少なくない。敷地北側は、住宅が建ち並び、現在畑の東・西隣地も将来住宅が建つことが予想される敷地。
南側道路から北側の境界線まで1m弱の高低差がある敷地に、大中小三つの家型ボリュームを配置することで、周囲からの視線を遮りつつ、風・光・緑豊かな景色を取り込み、広がりのある豊かな住まいを目指した。
<大>のボリュームは浴室等の水廻り・サンルーム・個室のプライベート空間を1・2階に分け配し、<中>のボリュームはLDKで家族や友人とくつろぐ空間として、1.5階分の高さの吹抜け空間とデッキから庭へとつなげることで、より広がりのある空間とし、<小>のボリュームの駐輪・外物置スペースをプライベート空間である<大>のボリュームにやや重ねるように配置することで、道路からの視線を遮り、プライバシーの確保を実現している。
構造体を県産材中心に使用し、内装にも無垢板等自然素材中心に素材感を大切に仕上げた。
撮影:穂坂昭