かつての村役場周辺で、田畑も点在するのどかな住宅地。畑を挟んだ南側の土地が10mほど高くなっていて少し見下ろされる感じのする敷地。
住宅に囲まれている敷地だが、南西方向に視線が抜けて周辺からの視線が気にならない場所があり、そこに対して生活の中心の場であるLDKを広げていくためと、周辺からの視線のずらしを図るために平行四辺形のプランとすることで、広がりとプライバシーの確保を両立させた。27坪弱の小住宅だが、内・外部ともに抜けを意識し、住空間にひろがりと変化をもたせ、4人家族のための小さくても広がりある豊かな住空間を提案し、ローコストでもあきらめない住まいづくりを実現した。
共働きご夫婦の為に洗濯機⇔物干し・サンルーム⇔クロークを隣接させ、洗濯作業の動線短縮を図ったり、玄関⇔パントリー⇔キッチンを連続させることで買ってきた食材のストック、雑多になりがちなキッチン周りの整理をしやすくするなど、家事負担の軽減を実現させた。
撮影:穂坂昭