しかんのいえ

前面道路から2~3m上がった高台の敷地。東側にその道路と近隣住宅、南西側にご実家、北側はご実家の畑や畑越しのさらに高台に住宅があり、のどかな土地柄ながらも、四方には距離を保ちつつ住戸が数件建っている。

LDKなどの幹となる棟とそこから枝のように延び出た水廻り・主寝室の棟によって南側に向けて開く建物形状と、道路から上がっている敷地の特性を利用し視線を遮り、ご実家からの視線をわずかにずらす建物配置で、プライバシーを確保しつつ、明るく開放的な住空間となるよう計画した。建物の端から端まで通る天井際の三角窓により内外つながる木板天井や、LDK空間の南東にのぼる勾配天井、リビングダイニングからサンルームやウッドデッキに床が延長し、視線が通ることでより空間に奥行きや広がりを感じられる家を目指した。

各室をただ間仕切るのでなく、空間や仕上の連続性を外部⇔内部を含めて考慮した計画とすることで、面積以上の広がりと奥行き感のある家となっている。またウォークインクロークを家の中央部に配置することで各個室からアクセスしやすいだけでなく、水廻りやサンルームとも隣接させ、[洗う]から[収納]までの洗濯動線集約を図った。

家に居ながら身体を動かす仕掛けが欲しいというアクティブなご家族のご要望(コロナ禍の運動不足解消にも…)から、室内物干と兼ねたうんていをサンルームに設置。低めの天井に埋め込むことで空間的にも視界的にもすっきりする納まりとした。

撮影:穂坂昭

  • 所在地:群馬県渋川市
  • 竣工:2021年2月
  • 構造:木造平屋建て
  • 延床面積:110.64㎡
  • 外部仕上げ:[屋根]ガルバリウム鋼板葺き[外壁]ガルバリウムサイディング張り ジョリパット塗り
  • 内部仕上げ:[床]ナラ縁甲板張り[壁]クロス貼り[天井]杉縁甲板張り
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