大正8年開業の古くから草津町で酒屋を営んでいる店舗を創業100周年の節目に建て替えによりリニューアルオープンする計画。
草津のバスターミナルから湯畑に向かう下り坂の中腹に位置し、屏風状に折れ曲がった木の外壁が連続する外観は、観光名所の湯畑に向かう時は壁が多い建物に見え、帰りに湯畑から上がってくる時には、お客様を誘い込むような開口の多い建物と変化する。お酒をメインで扱う店舗であるため買い物後は荷物が重くなるので、観光のお客様に行きよりも帰りに商品を買ってもらうよう誘導する計画としている。また日本酒は直射日光に弱いため西側に壁、北側に開口とすることで店内の西日対策にもなっている
1階の店舗は屏風状の外壁にそろえた什器や棚などで空間を仕切ることで散策する楽しさや商品を探す楽しさを演出するような商品陳列・空間構成としている。店舗の一部に販売エリアから隠れるように仕切って立ち飲みすることができる角打ちコーナーを設け、来客に新たなお酒の出会いを楽しんでもらえる空間も提案。
2階の応接室や事務室は吹き抜け空間で一階の店舗と繋ぐことで、少人数での管理にも対応した計画となっている。訪れるお客様、店舗スタッフ、商品が互いに良い環境となるよう配慮し計画した。
撮影:穂坂昭