周りをすべて２階建ての隣家に囲まれた分譲地の真ん中に位置する敷地に、開ける場所と閉じるべき場所をプランに明快に落とし込み、光と風を取り込みながらもプライバシーを確保した平屋住宅を提案。
東西に長い棟をＬＤＫ空間で少し南側へ曲げ、庭を囲む鉤(かぎ)のような形状とすることにより、庭に開きながら、周辺の隣家からの視線を遮り、プライバシーを確保した広がりと落ち着きのある住空間を計画した。また曲げによりうまれる斜めの屋外スペースは、旗竿地の車の出入りをしやすくさせる役目も持たせた。
中央に玄関を配し、西側は主寝室や水廻り等のプライベート空間、東側には家族や友人等で集いくつろぐＬＤＫなどを配することにより生活感の出やすいプライベートな部分と、来客のある玄関・ＬＤＫが交わらないように計画。家族それぞれが個々に打ち込める場所（在宅ワークもでき得るご主人の書斎。奥様の趣味室を兼ねたパントリー。書斎に隣接させ壁上部がガラスでつながる子ども室。）を用意し、その個人スペースへの動線が必然的にＬＤＫに交わるようにすることで、家族が気配を感じ自然とコミュニケーションを取れるよう配慮した。
撮影：穂坂昭