中之条町と旧六合村(現中之条町)を結ぶ『暮坂峠』(標高1,088m)は、四季折々の景色が楽しめ、詩人若山牧水が旅の途中で立ち寄り詠んだ『枯野の旅』の詩碑も建てられた、日本ロマンチック街道にもなっている名所。周辺には民家もなにもないその場所に、旅人の道標、緑豊かな景観に溶け込むランドマークを…。
旅の途中で、牧水も感動したとされる景観を望みながら一息つきたくなるような『観光案内所兼茶屋』を、牧水の詩碑のある丘に対して向き合うよう計画。道路や詩碑に対しガラス張りにした店内は、室内にも関わらず、自然の緑に吸い込まれるような感覚さえ…。夕暮れとともに店内の灯りでガラス張りの建物全体が峠の灯台となる。そして、プランニングだけでなく、峠に生息している唐松や杉材中心に仕上げるなど、景観との調和を最重要課題として取り組んだ。