館山市にある温泉施設(里見の湯)の敷地内に建っていたおみやげ店などの施設をコンバージョンにより地域の人たちに愛されるカフェとして再生させる提案。本場ナポリから職人を招聘しピッツァ窯を作り、その窯を中心に円形カウンターの客席を配し、舞台のようなライブ感のある窯廻りとした。
多目的使用(会議や地元作家の展覧会等)を想定したゾーンや、屋外広場を用意し、カフェのお客様だけでなく、地域の方々の集いの場としての利用ができるように計画した。また基礎や躯体をなるべく残し、経年劣化した木材を生かしたインテリアを考えるなど廃材をなるべく出さないように配慮。構造的な補強や室内環境の改善(断熱材の入替・新設、開口部のペアガラス化による省エネ改修)をし、用途変更申請により現行法にのっとった形での改修とすることで、ハード・ソフト両面から長く使い続けることのできる優良な建築ストックとなるように計画した。
撮影:穂坂昭