浅間酒造観光センター1階奥の改装提案。
改装場所は観光センターの奥に位置しており、メインのお土産販売場所に比べ天井高も低く薄暗い印象の空間となっていて、お土産販売や野菜直売などを行ったがうまくいかず、施設開設当初より明確な用途がない場所であった。
その場所は、酒蔵見学に行く動線上にあることから、今まで行っていなかったフラッグシップ的なお酒の角打ちコーナーや地元群馬の作家による酒器、地産の野菜を使ったお酒のあての提案など、お酒・酒蔵についての体験やインフォメーションコーナーとしての機能を持つ空間としての再生を提案。木格子により角打ちコーナーとPRコーナーを緩やかに区切り、格子の間隔に密な部分と疎の部分を作ることで視線のコントロールと空間差をつけた。同じ施設内の2度目の改装でもあり、KURATTORIA150の酒蔵をイメージさせる漆喰、なまこ壁、瓦をモチーフとした色調(グレートーン)を採用し、木格子と角度を合わせることで施設全体の統一性を計った。
角打ちコーナーでの試飲は高級なお酒の提供ということもあり、天井高さの低さと少し暗い雰囲気を逆手に取り高級感のある空間創りとし、昔実際に酒造りで使っていた槽(ふね)を漆と彫刻を施しスタンドカウンターとして再生させ、会社ロゴのひょうたんマークを漆喰壁に映える朱漆で仕上げるなど地元職人、作家による手仕事にもこだわり、この地を訪れるお客様の目的地の一つとなるような施設を目指した。
撮影:穂坂昭